Original:2009/01/02
Update:
Japanese text only
(*1)セイコーニュースNo.4:1957.7参照
マーベルは、1956年6月10日(時の記念日)に発売が開始された。
設計・製造は、第二精工舎諏訪工場(その後、諏訪精工舎を経て現在のセイコーエプソン)。
設計者は、後のジャイロマーベル、セイコーマチックの「マジックレバー」を考案した中村恒也氏である。
氏は、マーベルについて『第二精工舎(亀戸工場)を意識したことも、スイスへの対抗意識も無く、純粋な気持ちで作った』と言う。
『”理想の時計とはなんだろう”という思いでした。ところがね、理想の時計なんて簡単なんです。”止まらなくて、時間が合って、デザインがいい”この3つだけ。それを目指して一所懸命やったんです。』(*2)(*2)徳間書店1999年5月1日発行 「THE SEIKOIBOOK −時の革新者 セイコー腕時計の軌跡−」より引用
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SEIKO MARVEL 1957年12月製造(推定)
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マーベルが登場する以前のスーパー、ユニークは時間精度、生産性、整備性、いずれも当時のスイス製品と比較して劣っていた。
マーベルは、時間精度の向上と併せて当時の流行として男性用腕時計の大型化に応えた結果、機械の大きさを従来の10・1/2型(23.3mm)から11・1/2型(25.6mm)と大型化した。
12時下に「S」マーク
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ホンマ・ウォッチラボラトリー代表の本間誠二氏も当時を回想し『このマーベルが発売になった当時、この時計を手にして裏蓋を開けてみた時計職人のほとんどは、驚嘆の目を見張ったものである。それはきれいにニッケルメッキされた11型のムーブメントに、チラねじ付きの大型テンプが小気味良く振れている姿であった。これならばスイス製のものに負けないなと思ったに違いない。』と述べている。(*3)
(*3)株式会社ワールドフォトプレス1994年7月20日発行「国産時計博物館」より引用
チラネジ付テンプ耐震装置なし17石
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機械のサイズ11・1/2型(26.5mm)に対して、適合文字板サイズは14型(31.6mm)ケース外径は33mm。
ビニール袋と紙製のSEIKOタグにも「S」マーク付き
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マーベルは、その後、機械の仕上げを簡素化した「ローレル(1958/昭和33年)」、最高級機「ロードマーベル(1958/昭和33年)」、「クラウン(1959/昭和34年)」、「ライナー(1960/昭和35年)」、そして「初代グランドセイコー(1960/昭和35年)」へと進化を遂げて行く。
紳士のもちもの うすいマーベル!
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1958年価格表より
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側 質
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石数
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耐震装置
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文字板
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卸価格
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標準小売価格
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SS |
17J
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な し
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3,000
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4,500
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SS・ダストプルーフ(防塵) |
17J
|
な し
|
3,330
|
5,000
|
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FGF |
17J
|
な し
|
4,200
|
6,300
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|
AGF |
17J
|
な し
|
4,800
|
7,200
|
|
SS |
17J
|
ダイヤショック
|
3,450
|
5,200
|
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SS・ダストプルーフ(防塵) |
17J
|
ダイヤショック
|
3,680
|
5,550
|
|
FGF |
17J
|
ダイヤショック
|
4,550
|
6,850
|
|
AGF |
17J
|
ダイヤショック
|
5,150
|
7,750
|
|
18K |
17J
|
ダイヤショック
|
13,050
|
19,600
|
|
SS |
19J
|
ダイヤショック
|
4,120
|
6,200
|
|
SS |
19J
|
ダイヤショック
|
スペシャルダイヤル
|
4,500
|
6,750
|
FGF |
19J
|
ダイヤショック
|
5,220
|
7,850
|
|
FGF |
19J
|
ダイヤショック
|
スペシャルダイヤル
|
5,600
|
8,400
|
AGF |
19J
|
ダイヤショック
|
5,820
|
8,750
|
|
AGF |
19J
|
ダイヤショック
|
スペシャルダイヤル
|
6,200
|
9,300
|
18K |
19J
|
ダイヤショック
|
13,720
|
20,600
|