Seikomatic(防水ケース)

603/6201

Original:2004/01/02
Last Update:2014/08/31
Japanese text only


製品名:セイコーマチック

 キャリバーNo:603(6201)

 石数:17、20、21、30石

 略称:MA

 機械落径:27.60mm

 機械厚ミ:4.80mm

 テンプ振動数:18,000回/時

 発売開始(セイコー社資料より):
   17石(ブルーヨット)1961年
   20石(シルバーウェーブ)1961年
   30石196?年

 最古確認個体:
  1961年4月(裏蓋シリアルNoより)

 最新確認個体:
  1964年8月(裏蓋シリアルNoより)

1.特徴

セイコーマチック603に防水機構を付加した機種です。

自動巻防水時計 セイコーマチック 製品パンフレットより
水深30メートルの水圧に耐える自動巻防水腕時計です。
ゼンマイはひとりでに巻け、しかも完全な防水構造になっていますから水分・ホコリなどの入る心配もありません。
水泳・ボート遊びなど海の生活に、そして登山にも、もちろん日常の仕事にも……。
青海原を順風を一ぱい帆にはらんで快走するヨットのようなスマートで力強い腕時計です。”いるか”のマークはこの時計の防水性を保証するものです。

当時の腕時計には時計本来の基本機能のほかに「付加機能」が求められていました。
防水ケースは戦前から有ったようで、戦後は手巻スーパーにもスクリューバック防水ケースの製品が有りますが、本格的な防水ケースは「クロノスウォータープルーフ」(1959年7月)のようです。

セイコーマチックの防水ケースは1961年頃から発売されたようです。
特に防水を強調した製品に「ブルーヨット」、「シルバーウェーブ」が有り、「シルバーウェーブ」のペットネームはその後も防水腕時計の代表としてスポーツマチックや、ロードマチック、そしてクォーツの時代になっても名称と波濤マークを引き継がれました。
1963年以降(セイコーマチックでは「セルフデーター規制付」以降)は、防水ケースが標準仕様となり、ほとんどの腕時計が防水ケースになっています。

セイコー・シルバーウェーブ (SEIKO NEWS NO.44/1962より引用)

シルバーウェーブは、セイコーの誇る高い技術と豊富な経験からつくり出された便利な自動巻防水時計です。
水深50メートルの水圧にも、海抜5,000メートルの気圧にも充分耐えうるように設計製作されていますから、水泳に潜水に登山やスキー、そして日常の水仕事にも充分な防水性能を発揮します。その上自動巻ですから手をうごかしているだけで自然にゼンマイが巻けていつも正しい時を刻むわけです。

特 徴
リューズをそのままの位置で回すと目盛板が動きます。
回転目盛の▼点を分針(時針)に合わせますとその時からの経過時間がわかるようになっています。
 この方法を用いて
・自動車のパーキングタイムを………
・長距離電話の通話時間を………
・各種スポーツの競技時間を………
・山登りでは歩行時間を
簡単に計ることが出来ます。
又回転目盛の▼印を目標時間に合わせますと、目指す時刻までの時間がわかります。
・デイトにビジネスに予定時刻を………
・旅行におでかけの際は発車時刻を………
・アクアラングをつけての潜水時間等をメモできます。

機 械
薄型自動巻腕時計として、すでに定評あるセイコーマチック20石を使用していますから、その優れた自動巻機構とともに精度と堅牢さの点で安心してご使用願えるものです。

1964年6月から「水に強いセイコー」のスローガンのもと防水時計キャンペーンが実施され、防水腕時計の普及促進に大きな役割を果たしたようです。
当時の防水規格は、下記の3つに分類されていました。

防 水 種 類
機  種
石数
側質
スクリュー式
スナップ式
実用防水(WP)
セイコーマチック
30石
EGP
WP
スポーツマチック5(ファイブ)
21石
STP
標準防水(WP30)
スポーツマチック
スポーツマチック(シルバーウェーブ)
17石
SS
WP30
スカイライナー
21石
SS
セイコーマチックウィークデーター
33石
SS
EGP
WP30
高級防水(WP50/WP70)
グランドセイコーセルフデーター
35石
SS
WP50
ライナークロノメーター
25石
セイコーマチックセルフデーター規正付
39石
GC
WP70

2.外装

(1).ケース

J12型、13型、14型の3種類を確認。
ALL−SS、および前面EGP20ミクロン、裏蓋SS。
防水仕様のシンボルマークとして「イルカ」が使用されるようになったのも、この頃から。

J13044の裏蓋イルカマーク
J13044の金属ベルトバックルのイルカマーク

特殊モデルのブルーヨットとシルバーウェーブが存在。

J13034(ブルーヨット)の
裏蓋ヨットマーク
J12082(シルバーウェーブ)の
裏蓋波濤マーク
シルバーウェーブ付属の
波濤マークバッジ

(2).文字板

12時下のコママークはプリント仕様のみを確認。
「Seikomatic」のロゴマークは「S」の字体を2種類確認。
WATER 30 PROOFの字体を2種類確認。

ロゴ種別
画 像
前期ロゴ
後期ロゴ


白、黒文字あり。夜光あり。変わり文字板は、渦巻き状ヘアライン。
20石にはスペシャルダイヤル(SD)が多数。
ブルーヨット17石はSDのみ?。AD未確認。
ブルーヨットAD文字板の存在を確認しました。SD/AD共に存在します。(2005.03.27)

3.機械

(1).基礎輪列

非防水モデルと同様に初期個体は、香箱受けと2番受けが別パーツ。後期は1体パーツになる。

(2).自動巻機構

伝え車の「伝え押さえ」に2種類の形状が存在
自動巻機構を固定するピンが別パーツのものと、一体型の2種類が存在。
回転錘(ローター)に衝撃吸収切り込み有無の2種類存在。

(3).その他

17石の防水モデルはブルーヨットのみ確認。
シルバーウェーブは20石のみ確認。
21石は「ガラ」さえ未確認だが、輸出モデル向けの防水ケース用?と推定。
2004年2月17日:更新
未確認の21石を親切な知人から入手することが出来ました!。→こちらで、公開中です。

4.当時の価格

ペ ッ ト ネ ー ム
CAL No.
石数 側質 防水 現金正価
セイコーマチック
603(6201)
20石 SS
防水
9,600
30石 SS
???
EGP
14,000
セイコーマチックブルーヨット 17石 SS
8,600
セイコーマチックシルバーウェーブ 20石 SS
11,000

603/6201WR Archive

戻る

TOPに戻る

inserted by FC2 system